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【インタビュー(後半)】佐藤健&土屋太鳳、恋愛観や結婚観を語る/映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』
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【インタビュー(後半)】佐藤健&土屋太鳳、恋愛観や結婚観を語る/映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

「8年越しの結婚式」という1本のYouTube動画が大きな話題を呼び、ドキュメンタリー番組や、書籍化もされた実話を映画化した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(12月16日公開)。前編で作品の魅力について語り合った主演を務める佐藤健と土屋太鳳が、後編では自身の恋愛観や結婚観について赤裸々に語ってくれました。

結婚式を3カ月後に控えた20代の尚志と麻衣。幸せの絶頂期と思われた二人を、突然の悲劇が襲った。突如、麻衣が原因不明の病に倒れ、昏睡(こんすい)状態に陥ってしまったのだ。そこから、尚志は麻衣が元気な姿を取り戻すため、献身的に看病を行う。そんな尚志の祈りが通じ、麻衣は目を覚ますのだが、さらなる壁が立ちはだかっていた。

本作で、佐藤演じる尚志は、麻衣に対してプロポーズをするシーンがある。佐藤は「このシーンは寄りも引きも含めて、何度も撮るのかなと思っていたのですが、瀬々(敬久)監督は一回しかやりませんでした。すごく新鮮だったし、映画らしいシーンだなと思って感動しました」と語っていたが、劇中において、この場面は二人の関係を象徴する非常にすてきなシーンに仕上がっている。このシーンを演じた佐藤と土屋は、ともに未婚であるが「プロポーズ」という行為には、どんな意味を感じているのだろうか。

8年越しの花嫁

佐藤は「オフィシャル化されていない、一種の儀式的なイベントですが、男なら絶対決めなければいけないイベントだって感じがします」と語ると、土屋は「私はあってもなくてもいいかな」とポツリとつぶやく。その真意を問うと「もちろんしていただければうれしいですし『ありがとう』という気持ちしかありませんが、二人のなかで、一緒にいるという気持ちをしっかり共有していれば、特に絶対しなければいけないというものではないのかなって思っているんです」と回答する。

そんな土屋の答えに佐藤は「そういってくれると男はうれしいですね。一番すてきなお嫁さんですよ」と笑顔を見せるが「それでも、やっぱり世間的にはプロポーズってちゃんとするものという認識じゃないですか。そうなると、たとえ土屋さんがそう言ってくれていても、僕は性格的にしっかり言わないといけないって思っちゃうんですよね」と苦笑い。

8年越しの花嫁

プロポーズの前後には、互いの両親の存在というものも非常に重要になってくる。本作では、昏睡(こんすい)状態に陥り、長い間目を覚まさない麻衣を、自身の生活を顧みず懸命に見守る尚志に対して、麻衣の両親は愛を持って拒絶する。「結婚とは当人同士だけではない」とはよく言われるが、佐藤は「ご両親からすると、子どもが幸せになってくれたらいいという思いが一番なんですよね。その意味で"心配"だとすると、相手の親にとって自分が安心させられる存在であることが大切なのかなと思うんです」と持論を展開。

そのうえで「もし反対されたら?」と聞くと佐藤は「口に出しては言いませんが、心のなかでは『なんで!? なにを持ってしてダメなんだ!』って思っちゃうでしょうね(笑)。でもそこでぶつかっていたら、どんどん悪い方向に進んでいってしまうので、作戦変更して、どうやったら認めてもらえるか考えると思います」と回答。

一方、女性の立場からみた、結婚相手の両親の存在について、土屋は「この方々が出会ったからこそ、この人がいるんだって思うかな。そのうえで、ちゃんと自分が、相手を立てていける存在だなと感じてもらえるようになりたいです。あとは、ご両親にとって、とても大切な息子さんだと思うので、私も負けないぐらい大切にするぞという気持ちを伝えたいです」ときっぱり。佐藤、土屋ともしっかり相手のご両親には"理解してもらいたい"という思いは強いようだ。

8年越しの花嫁

最後に、こちらも永遠のテーマなのかもしれない"結婚と恋愛の違い"について、佐藤は「基本的に、誰かが決めたことには興味がなく、本質をみていたいタイプなのですが、今回、尚志さんと話をしていて『なるほど』と思ったことがあったんです。よく「8年間支えるのってすごい」と思うかもしれませんが、自分の家族や子どもだったら、それは当たり前のことなんですよね。そのなかで、尚志さんは『麻衣と結婚の約束をした時点で、僕のなかで麻衣は家族だったんです』と言ったんです。だから待つことは自然のことだったんですよね。それを聞いて、結婚ってそういう意識の違いなのかなって感じたんです」と本作で尚志という役を演じたことにより、いろいろな発見があったことを明かす。

佐藤の話を大きく頷き(うなずき)ながら聞いていた土屋は「難しいですよね。出会って一緒に過ごした時間があるから、結婚に至るわけで......。その都度、関係性って変化するのかなと思うのですが、最初に出会ったときの魅力を、しっかり忘れないようにすることって大切だと思うんです。一人の人と心をつなぐことってとても大事だと思います」と自身の恋愛観について語った。

※インタビュー前編はこちら

8年越しの花嫁

「意識の戻らない恋人を、あなたは何年待てますか」。
結婚式の直前に意識不明となった花嫁を、新郎は待ち続けた――。実話から生まれた、8年間の奇跡のラブストーリー。
佐藤健&土屋太鳳のW主演に、メガホンは映画『64 ‐ロクヨン‐ 前編/後編』で重厚な人間ドラマを紡いだベテラン・瀬々敬久監督に託された。脚本は「最後から二番目の恋」「ひよっこ」の岡田恵和が担当。さらに、back numberが主題歌「瞬き」を今作のために書き下ろした。

(取材・文:磯部正和、撮影:中村好伸)