恋愛コラム

まるで映画みたいな恋もあるUSA 【国際恋愛インタビューVol.8】
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まるで映画みたいな恋もあるUSA 【国際恋愛インタビューVol.8】

今回は、10年近くアメリカに暮らした経験をお持ちの日本人男性に、アメリカの恋愛事情について話していただきました。

Nさん
30代・男性|出身国:日本
10年間アメリカに在住

―Nさんは高校卒業後、10年という長い年月をアメリカで過ごされたそうですね。アメリカの恋愛事情をどのように感じましたか?

僕はユタ、インディアナ、ミシガン、ニューヨークに住んだ経験があるのですが、恋愛観は地域によってぜんっぜん違うんです。東西南北でもかなり違いますが、東と西では、思想的にはリベラルで日本に似てると思います。中部となると、宗教の力がずいぶん強くなります。
インディアナとかミシガンではアーミッシュというグループがいて、電気を使わずに自給自足生活をしてたりするんです。そこにポチャンって入ると、「ここはどこだ?」っていうくらい戸惑いを感じますよ。そのあたりの地域だと、大学によっては、学生の70%くらいはしっかり宗教を持っていて、婚前交渉がアウトだったり......。つきあってる二人でも制約がすごく多いんですね。手を握るのが大丈夫かどうかとか、キスをしてもいいのか、舌を入れたら怒られるかとか、その人の属するグループによって全然違うので......。 最初はいいけど、結婚に近づくにつれて「ココが譲れない!」っていうところがキツくなってくるかもしれないですね。逆に、そんな中で疎外感を感じてる人同士が出会うとすごく仲良くなれると思いますよ。

―それは日本ではなかなか味わえない疎外感でしょうね!
恋愛において、日本との決定的な違いはありましたか?

日本では、男性が多くデートの費用を払うっていう意識が強いですが、アメリカでは割り勘を基本に、デートに誘った側が払うこと が多いです。確かに最初は男が誘うことが多いですが、毎回そうだというわけではなくて、今日は彼が払って次は彼女、とかね。だから、次につなげたいために「今日は僕が払うよ!」っていうことも......。そう言われたら「じゃあ次は私が」ってなって、次のデートの話になるからまた会えるでしょ(笑)?

それと、例えば日本では女性が料理を取り分けるってある意味、決まりごとみたいになっていますよね。それはやさしさから取り分けるんじゃなくて、そういうものだから取り分ける、みたいなね。同じようにアメリカの男性にも役割があって、女性が座るときに椅子を引くとか、ドアを開けるとか、コートをかけるとか。
シチュエーションにもよりますが、二人っきりで二回目以降のデート、ちょっとフォーマルないい雰囲気のレストランに行ったりすれば若い人でもやると思います。だって、女性が立ったまま椅子を引いてもらうのを待ってるんだから(笑)!

―女性が男性を立てる日本に対し、アメリカは男性が女性にかしずく文化なんですね。アメリカ人の結婚観については、どんな印象をお持ちでしょうか。

今でこそ日本でもお見合い結婚より恋愛結婚が主流ですが、昔は親が子どもの結婚を決めていましたよね。アメリカって、恋愛結婚の歴史が長いんです。だって『若草物語』や『大草原の小さな家』なんて、150年くらい前の話なのに、登場人物は自由結婚していますよね。日本では幕末、坂本龍馬の時代ですよ! 日本よりだいぶ早いですよね。つまり、男女が出会うチャンスがその当時から多かったんだと思います。

僕も学会とかに行きますが、ペアで踊るあのダンスって誰でも踊れちゃうんですよ。高校生でもプロムなんかもありますし、学校のパーティーで踊ってますからね。公式の場に妻を連れていくのは当たり前だし、ホテルにシングルルームなんてなかったりして、男女で行動することは日本より多いんじゃないかな。

あとはフェミニズムが強いので、専業主婦願望のある女性ってほとんどいないと思います。子育てしながら働く体制が整っていることもありますが、子どもができたから仕事を辞めるっていう考えがないんでしょうね。アメリカは不況が来たのが日本より20年も30年も早かったので、共稼ぎが当たり前っていう考えが早くから根付いたのかも知れません。

―では最後に、日本ではやらないけどアメリカでは当たり前な習慣、ってありますか?

キザったらしいですが、一人でバーで飲んでるキレイな女性がいたら、「あちらの女性におかわりの飲み物を ......」ってバーテンに頼んで、グラスを前に置かれた女性が驚いてこちらを見たらウィンクする、みたいなのも普通にやります。日本でそれをやったら、「ドラマの見すぎ!」って言われちゃいますよね。

う~ん、シャイな日本人男性にはなかなかハードルの高そうなお話ですね。
また日本では、そのグラスを受け取った女性が喜ぶかどうかも疑問です(笑)
10代から20代の、恋愛に夢中になる世代をアメリカで過ごしたNさんは、すっかりアメリカの恋愛観に染まってしまったそうで......プロポーズはアメリカ式に盛大に、ロマンチックに執り行ったのだそうです。ちょっとその内容をお聞きしましたが、奥さまがうらやましい限り......でした!