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僕の娘がかわいいのはハーフだからじゃなくて、妻がかわいいから 【国際恋愛インタビューVol.1】
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僕の娘がかわいいのはハーフだからじゃなくて、妻がかわいいから 【国際恋愛インタビューVol.1】

さて今回から、グローバルな恋愛をよく知る方々のインタビューがスタート!
国境を越えて結ばれた二人ならではの苦労話や、面白いエピソードをたっぷりお見せします。日本人だけでなく外国人の方にもお話を伺っていきますので、楽しみにしていてくださいね!

初回に登場いただくのは、日本在住歴も長く日本語堪能なアメリカ人男性、Pさんです。

Pさん
40代前半・男性|出身国:アメリカ|日本在住歴:19年
2011年に日本人女性と結婚

―奥さまと出会ったきっかけは?

共通の友達がいたので、一緒に飲んでいて知り合った。お互いずっと気になってる感じでね。
どっちからアプローチしたかは、僕に聞くか妻に聞くかで答えが違うと思うよ。お互い、相手からだって思ってるから(笑)。ワインの勢いも手伝って「もっと話をしてみたい」って僕が言ったことは確かだけど。

―結婚すると決まったときに、お互いの家族の反対はなかったですか?

母に電話で伝えた時に「それであなたが幸せであればいいと思う」と言われた。昔からアジア系の友達は多かったし、日本に長く住んでいたから、僕の両親にとっては当然の流れだったと思う。

ただ、難しかったのは妻の家族。九州のパパの大事な娘をもらうってたいへんなことだよ! しかも16歳も年上の、中年太りの外国人ともなればね(お腹を抱えてみせる)。結婚すると決めるまでは会ってももらえなかったよ。どれだけ娘が可愛いかはわかるでしょ?

―そんなに反対されてたのに、どうやって結婚を許してもらったんですか?

20代の僕なら考えられないことだけど、妻の親の条件を全部飲み込んだ。僕も妻のことを愛してたから喜んで受け入れたよ。

まあ、結納の存在はまったく知らなかったし、昔のアメリカやヨーロッパでは男がもらう方だしね! 結納は驚いたけど、妻の家族はそれなりの理由があって、九州の人はきちんと習慣に従うから、相手が外国人でも親戚や近所の人に「ちゃんとしてますよ~」って言えることが重要。外国人だからこそ相手の家族や近所のことを考えるのが必要でしょ。プラス、すぐ妻のお母さんを味方につけたことが僕を認めてもらうことに繋がった。

―なるほど~。Pさんの愛がちゃんとパパにも通じたんですね。
お二人の普段の会話は、何語?

ほとんど日本語。でも娘はバイリンガルに育てたいので、僕はベイビーには英語で話しかけてる。まだ「オギャー」しか言えないけど、ベイビーが喋れるようになったら、三人の共通語は日本語と英語まぜこぜだね。

(ピンクのワンピース姿の赤ちゃんの写真を見せて)これね、ベイビーの写真。かわいいでしょ? 僕より妻似だね。みんな「かわいい!」って言ったあとに「ハーフはかわいくていいね」って言うんだけど、ひどいでしょ? ハーフだからじゃなくて、僕の妻の遺伝子を受け継いでるからかわいいんだよ!

―そんなことがサラッと言えちゃうなんて素敵!
日本人男性はあまり妻を褒めないけど、Pさんは奥さまをよく褒めるんですか?

いつもいつも褒めてるとね、「あなた、ほんとは思ってないでしょ!」って言われちゃうからね。たまに褒めるくらいがちょうどいいよ。

―国が違うからこそ気をつけていることがあれば教えてください。

お互いの言葉の細かいニュアンスのせいで誤解する可能性もあるから、ちょっと相手の言い方にカチンときても怒らない。お互いの発言に大きく反応しないようにしているよ。

―文化の違いに驚いたエピソードはありますか?

アメリカ人にとって、誕生日はすごく大切。だから初めて二人で迎えた僕の誕生日は「えええ!? ノープランなの!?」って、悲しかったよ~(笑)

今はね、僕のことを理解してくれてるからだと思うけど、妻が用意してくれるプレゼントはいつもいつも嬉しいものばかりなんだ。

―国際結婚してよかったことはどんなこと?

異文化を体験できること。たとえば祭とか、外国人にはちょっと入りにくいけど、妻が日本人だと深入りできるでしょ?
あと、妻の実家がある九州はほんとにすばらしいところ。山があって滝があって、遊びに来た僕の両親もすごく喜んでね。妻と結婚していなかったら九州を見る機会もなかっただろうから、あんなきれいなところに家族ができてほんとによかったって思うよ!

―確かに、日本人としての経験もできますよね! では、逆に悪かったところは?

これは結婚に限らずだけど、自分は外国人だから、日本で同じ人間として扱ってもらうにはまず言葉の壁がある。自分が努力しないと。僕は韓国語、中国語も勉強したんだけど、言語が好き、というよりもコミュニケーションが好きだね! 日本語がわかると日本人の考え方も理解できるようになるから。もしもこれが逆に、僕の国に妻と住んでいたら、努力しなければならないのは妻の方だよね。

外国人であることはハードルもあるけど、人には覚えてもらいやすいから、そこをうまく利用するようにしているよ。まあ、日本語が完ぺきでも「外国人だ」という意識しかできない人はいるけど、僕の経験ではそういう人は少数。

―最後に、お二人でオリンピックやワールドカップを見るときはどっちを応援する?

「アメリカvs.日本じゃない国」ならアメリカ、「日本vs.アメリカじゃない国」なら日本。
「日本vs.アメリカ」ならそれぞれ自分の国。

あ、でもビーチバレーなら、僕はかわいい選手のほうを応援するよ(笑)!

「日本人は、アメリカ人は陽気だと思ってるけどそれはただのイメージ。僕は暗いよ!」というPさん。
笑いを交えて話してくれる様子は陽気そのものでしたが、質問に対してすぐに明確な答えが返ってくるところや、「国際恋愛、国際結婚だから大変じゃなくて、恋愛、結婚そのものが大変」と話してくれたところに思慮深さを感じました。
誕生日にはいつもうれしいプレゼントを用意してくれるという奥さま、そしてそんな奥さまにそっくりなベイビーちゃんと、いつまでもお幸せに!